ブロードキャストアドレス
ネットワーク内のすべての機器を宛先とするアドレス。IPv4では、ホスト部のビットをすべて1にしたアドレスで表す。
イマシルちゃんの解説
「みなさーん、聞いてくださーい!」って、部屋にいる全員に呼びかけることがあるよね。
IPv4のネットワークでも、特定の1台ではなく、同じネットワークの機器みんなにデータを送りたい場面があるんだ。
その「全員宛ての住所」がブロードキャストアドレスだよ。
たとえば、パソコンがネットワークにつながってIPアドレスをもらうとき、アドレスを配ってくれる相手がまだわからないことがあるの。
そんなときは全員宛てに呼びかければ、IPアドレスを配る機器にも届くんだ。
ちなみにこのアドレスは、1台だけのための住所ではないから、誰かのパソコンに割り当てることはできないよ。
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より深い解説
定義
ブロードキャストアドレスは、同じネットワーク(ブロードキャストドメイン)に属するすべてのホストを宛先とするアドレスである。IPv4では、ホスト部のビットをすべて1にしたアドレスがブロードキャストアドレスになる。
逆に、ホスト部のビットをすべて0にしたアドレスは、ネットワークアドレス(ネットワークそのものを表すアドレス)である。この2つは、どちらもホストに割り当てることはできない。
求め方
ブロードキャストアドレス = IPアドレス OR (サブネットマスクのビット反転)
例:172.16.10.20/20 の場合
| 項目 | 値 |
|---|---|
| サブネットマスク | 255.255.240.0 |
| ネットワークアドレス | 172.16.0.0 |
| ブロードキャストアドレス | 172.16.15.255 |
| ホストに使える範囲 | 172.16.0.1 ~ 172.16.15.254 |
第3オクテットに注目すると、マスクが240(11110000)なので、ホスト部は下位4ビットである。10(00001010)のホスト部を0にすると0、1にすると15(00001111)になる。
末尾が255でもホストに使える場合
ブロードキャストアドレスかどうかは、末尾の値ではなく、プレフィックス長で決まる。
| アドレス | ホストに使えるか | 理由 |
|---|---|---|
| 192.168.1.255/24 | 使えない | ホスト部(8ビット)がすべて1 |
| 172.16.10.255/16 | 使える | ホスト部(16ビット)は 00001010.11111111 で、すべて1ではない |
| 10.0.0.255/8 | 使える | ホスト部(24ビット)がすべて1ではない |
| 10.255.255.255/8 | 使えない | ホスト部がすべて1 |
ブロードキャストの種類
| 種類 | アドレス | 届く範囲 |
|---|---|---|
| 限定ブロードキャスト | 255.255.255.255 | 送信元と同じネットワークの中だけ。ルータは転送しない |
| 有向ブロードキャスト | ネットワーク部+ホスト部すべて1(例:192.168.1.255) | 指定したネットワークの全員。ルータを越えて特定のネットワークに送れる |
有向ブロードキャストは、離れたネットワークの全ホストに大量の応答を返させる攻撃(Smurf攻撃)に悪用されたため、現在のルータでは既定で転送しない設定になっている。
MACアドレスのブロードキャスト
イーサネットでは、宛先MACアドレス FF-FF-FF-FF-FF-FF(48ビットすべて1)がブロードキャストである。ARP要求やDHCPの最初の要求などで使われる。スイッチは、ブロードキャストのフレームを、受信したポート以外の同じVLANのすべてのポートに転送する。
IPv6にはない
IPv6には、ブロードキャストアドレスが存在しない。全員への通知が必要な場面では、全ノードマルチキャストアドレス(ff02::1)を使う。ブロードキャストは、関係のない機器にも処理の負担をかけるため、IPv6では必要な機器だけが受け取るマルチキャストに置き換えられた。
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