QoS

読み:きゅーおーえす / 英語表記:Quality of Service

ネットワークで、通信の種類ごとに帯域や遅延、損失などの品質を確保するための仕組みの総称。優先制御、帯域制御(シェーピング、ポリシング)、アドミッション制御などの技術を組み合わせて実現する。

イマシルちゃんの解説

音声通話と大きなファイルの転送が同じ回線に重なると、音声が待たされて会話が途切れることがあるんだ。
QoSは、通信に必要な品質を確保するために、ネットワークの資源の使い方を調整する技術の総称だよ。
例えばルータが通信を種類ごとに分け、待たせたくない音声を先に送り出す優先制御を行うんだ。
一方で、特定の通信が回線を占めすぎないように送信量を調整する帯域制御もあるよ。
すべての通信を速くするのではなく、限られた回線の容量を用途に応じて配分するのがポイントなんだ。

より深い解説

定義

QoS(Quality of Service)は、ネットワークの資源(帯域、バッファ)を、通信の種類や重要度に応じて配分し、必要な通信品質を確保する技術である。品質は、主に次の指標で表される。

指標内容
帯域(スループット)単位時間に送れるデータの量
遅延送信から受信までの時間
ジッタ遅延のゆらぎ
パケット損失率届かなかったパケットの割合

主な技術

技術内容
分類とマーキングパケットを種類ごとに分け、IPヘッダーのDSCPや、IEEE 802.1QタグのPCP(CoS)にクラスを示す値を書き込む
優先制御優先度ごとに待ち行列(キュー)を分け、優先度の高いキューから送り出す
シェーピング送り出す間隔を調整し、規定の速度を超えないように平準化する。超えた分はバッファにためる
ポリシング入ってくるトラフィックを監視し、規定の速度を超えた分を破棄するか、優先度を下げる
アドミッション制御通信を始める前に資源を要求させ、確保できる場合だけ通信を受け付ける
輻輳回避キューがあふれる前に、パケットを確率的に捨てて、TCPの送信量を抑えさせる(RED、WRED)

QoSの考え方(アーキテクチャ)

方式内容
ベストエフォート特別な扱いをせず、すべてのパケットを同じように、できる範囲で送る
IntServ通信ごとに、経路上の各ルータで資源を予約する(RSVPを使う)。厳密だが、規模が大きくなると管理が難しい
DiffServパケットに付けた優先度(DSCP)に応じて、各ルータがクラスごとに扱いを変える。規模が大きくても扱いやすい

IPとイーサネットの分類用フィールド

DiffServでは、パケットに付けたコードポイントから各装置での転送処理を選ぶ。IPv4の旧ToSフィールドに当たる8ビットの領域は、現在のDSフィールドでは6ビットのDSCPと、2ビットのECNに分かれる。ECNは対応する通信で輻輳を通知するためのもので、優先度の値ではない。

IEEE 802.1QのVLANタグでは、3ビットのPCPでフレームの優先度を表す。機器の設定ではこの値をCoSと呼ぶこともある。IPの分類とイーサネットの分類はフィールドもビット数も異なるため、スイッチやルータで必要に応じて対応付ける。

DSCPの数値が大きければ常に最優先になるわけではない。どのコードポイントをどのキューへ入れ、どれだけ帯域を割り当てるかは装置の方針に従う。端末が付けた値をそのまま信頼する範囲も決めておく。

使い分けの例

通信求められる品質扱い
IP電話の音声遅延、ジッタが小さいこと最優先のキューで送る(DSCP の EF)
ビデオ会議帯域と遅延優先度を高めにし、帯域を確保する
ファイル転送、Web遅延にはそれほど敏感でない通常のキュー(ベストエフォート)

ベストエフォートは、優先度を変えずに転送する方式であり、フレームの種類や宛先に応じて優先度を変えることは、優先制御である。

回線へ送り出せる速さより多くのパケットが到着すると、装置のバッファに待ち行列ができる。待つ時間が増えると遅延が大きくなり、バッファの容量を超えるとパケット廃棄が起きる。音声を優先的に送り出す制御はこの待ち時間や損失を抑えるために使うが、回線容量そのものを増やす機能ではない。

MQTTのQoSとの区別

MQTTにも「QoS」という設定(0、1、2)があるが、これはメッセージを届ける保証のレベル(最大1回、少なくとも1回、ちょうど1回)を表すもので、ネットワークの帯域や遅延を制御するQoSとは別の意味である。

参考資料

実際の試験ではここに出る!全11問

ネットワークスペシャリスト

午前Ⅱ
午後Ⅰ

テクニカルエンジニア(ネットワーク)

午前

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