ネットワークスペシャリスト 令和7年度 春期 午後Ⅱ 問1
ネットワークスペシャリスト 令和7年度 春期 午後Ⅱ 問1
この問題に出てくる用語
- ARP
- IPv4の通信で、同じリンク上の次の配送先のIPアドレスに対応するMACアドレスを求めるプロトコルである。通常のアドレス解決では要求をブロードキャストし、応答をユニキャストで返す。別のネットワークへ送る場合は中継するルータのMACアドレスを調べる。
- ICMPv6
- IPv6でエラー通知や疎通確認などの制御メッセージをやり取りするプロトコルである。IPv4のICMPに相当する働きに加え、近隣探索やマルチキャストの受信者管理にも使われる。IPv6のNext Headerで示すプロトコル番号は58である。
- IPv6
- IPv4の後継として設計された、IPアドレスを使ってネットワーク間でパケットを届けるための通信プロトコル。アドレス長を128ビットに広げ、基本ヘッダーを40バイトの固定長にするなど、パケットの形式も見直している。
- EDNS
- DNSの機能を拡張する仕組み。UDPで送受信できるDNSメッセージの大きさの上限を、従来の512バイトから広げられる。上限を超える応答は、TCPでやり取りし直す。
- 一時アドレス
- IPv6で、インタフェース識別子を疑似乱数で作り、一定時間ごとに作り直すアドレス。外部への通信に使い、アドレスから同じ端末だと追跡されにくくする。
- FQDN
- DNSの名前の階層を根に当たるルートまで省略せずに表したドメイン名。厳密な文字列表記では末尾にルートを示す「.」を付ける。
- OSPFv3
- IPv6に対応するために設計されたOSPFのバージョン3。ルータ同士の接続をリンク単位で扱い、通常はリンクローカルアドレスを使って隣接ルータと通信する。経路計算の基本方式はOSPFv2と同じで、拡張によってIPv4の経路情報も扱える。
- 近隣探索プロトコル
- IPv6で同じリンク上の機器と通信するために、アドレス解決、ルータ探索、近隣機器への到達性の確認などの手順を定めたプロトコルである。ICMPv6の5種類のメッセージを使って、問い合わせや応答、ネットワーク情報の通知などを行う。
- グローバルユニキャストアドレス
- インターネットを含む広い範囲での通信に使う、IPv6のユニキャストアドレス。インタフェースを世界全体で一意に識別できるように割り当てられ、一般向けの割当てには2000::/3の範囲が使われる。
- 権威DNSサーバ
- 管理を任されたドメイン名の範囲(ゾーン)の情報を保持し、その範囲の問合せに正式な情報源として応答するDNSサーバ。
- CIDR
- IPv4アドレスのクラスにとらわれず、ネットワーク部の長さを任意のビット数で指定してアドレスの割り当てと経路制御を行う方式。条件に合う複数のネットワークを一つの経路に集約し、ルータが管理する経路数を減らせる。
- ステートフルパケットインスペクション
- ファイアウォールが、通信の状態(セッション)を記録しておき、許可した通信に対する応答のパケットを自動的に通過させる方式。応答の向きの許可ルールを個別に書かなくてよい。
- SLAAC
- IPv6で機器が自分のアドレスを生成・設定する方式。ルータ広告(RA)で自律設定用に通知されたサブネットプレフィックスとインタフェース識別子を組み合わせるなどして、DHCPv6サーバからアドレスを割り当ててもらわずに設定できる。
- 重複アドレス検出
- IPv6のユニキャストアドレスを使い始める前に、同じリンク上での重複を調べる手順。近隣要請を送信し、ほかの機器から届く近隣広告や同じアドレスに対する問い合わせをもとに重複を検出する。
- DHCPv6
- IPv6のアドレスやプレフィックス、DNSサーバの情報などをサーバから配布するためのプロトコル。アドレスなどの割当てを管理するステートフルDHCPv6と、アドレス以外の設定情報だけを配るステートレスDHCPv6としての使い方がある。
- DNS
- ドメイン名に対応するIPアドレスやメールの配送先などの情報を管理し、問い合わせに応じて返す分散型データベースの仕組みである。多数のDNSサーバが階層的に管理を分担し、名前に対応する情報を調べる処理を名前解決という。
- TCP
- アプリケーション間で、順序を保った信頼性のあるデータ転送を提供するトランスポート層のプロトコルである。通信前に接続を確立するコネクション型で、受信確認や再送によってデータの欠落に対処する。
- TTL
- IPv4ヘッダーにある、パケットがネットワーク上に存在できる期間を制限する値である。ルータが転送するときに少なくとも1減らし、0以下になったパケットは破棄する。
- デフォルトゲートウェイ
- 宛先に一致するより具体的な経路がないときに、端末が最初に転送を依頼するルータ。端末の設定では、そのルータのIPアドレスを指定する。
- デュアルスタック
- 1台の機器やネットワークで、IPv4とIPv6の両方を利用できるようにする方式。IPv4の相手とはIPv4で、IPv6の相手とはIPv6で通信し、二つの環境を共存させる。
- 動的ルーティング
- ルータ同士がルーティングプロトコルで経路情報を交換し、ネットワークの状態の変化に合わせて、経路表を自動的に更新する方式。管理者が手で経路を設定する静的ルーティングと対になる。
- traceroute
- 宛先までの経路上にあるルータを、順番に調べるコマンド。IPv4のTTL(IPv6のホップリミット)を1から順に増やしながらパケットを送り、途中のルータから返ってくるICMPのエラーで、経由した機器を知る。
- NAT
- ネットワークの境界などで、IPパケットの送信元IPアドレスや宛先IPアドレスを別の値へ変換する技術である。アドレスだけを変える方式と、ポート番号も併せて変えるNAPTを区別する。
- NAPT
- IPアドレスに加えてポート番号も変換することで、1つのグローバルIPアドレスを、多数の端末で同時に共有できるようにするアドレス変換の方式。変換の対応は、ルータのNAT変換テーブルに記録される。
- Nullルート
- 経路表で選ばれたとき、対象のパケットをどこにも転送せずに破棄するための経路である。集約した範囲内でより具体的な経路がない宛先にも適用し、ルータ間で転送を繰り返すルーティングループを防ぐ。
- パスMTU探索
- 送信元から宛先までの経路上で、途中で分割されずに通れるパケットの最大の大きさ(パスMTU)を調べる仕組み。
- ping
- ICMPのエコー要求を送り、相手からのエコー応答が返ってくるかで、IPの疎通(相手まで届くかどうか)と往復の時間を確かめるコマンド。
- フルサービスリゾルバ
- 利用者に代わってドメイン名に対応するIPアドレスなどの情報を調べ、結果をキャッシュして再利用するDNSサーバ。必要に応じて権威DNSサーバへ問い合わせ、得た答えを利用者へ返す。
- MACアドレス
- データリンク層でフレームの送信元や宛先を指定するアドレスである。イーサネットや無線LANでは48ビットで表し、機器の通信インタフェースや宛先のグループを識別する。
- マルチキャストアドレス
- 特定のグループに属する複数の宛先へ、まとめてデータを届けるためのアドレス。IPv4では先頭の4ビットが1110のクラスDのアドレスで、残りの28ビットで受信するグループを識別する。
- Modified EUI-64
- IEEEのEUI-64形式のU/Lビットを修正して使う、IPv6のインタフェース識別子の形式。48ビットのMACアドレスから作る場合は中央にFFFEを挿入して64ビットにし、先頭オクテットのU/Lビットを反転させる。
- UDP
- 接続の確立を行わずに、データグラム単位でアプリケーション間のデータを運ぶコネクションレス型のトランスポート層プロトコルである。再送や到着順序の保証を備えず、ヘッダーは8バイトである。
- 要請ノードマルチキャストアドレス
- IPv6のアドレス解決や重複アドレス検出で、問い合わせを送る先として使うリンク内限定のマルチキャストアドレス。ff02::1:ff00:0/104に対象のIPv6アドレスの下位24ビットを付けて作り、末尾が一致するアドレスを持つ機器のグループを表す。
- リソースレコード
- DNSでドメイン名に結び付けて管理する1件ごとの情報。対象の名前、情報の種類、その種類に応じた値などからなり、IPアドレスやメールの配送先などを表す。
- リンクローカルアドレス
- 同じリンク(ルータを越えない範囲)内での通信に使うIPアドレスである。IPv4とIPv6の両方に存在し、IPv4では169.254.0.0/16、IPv6ではfe80::/10の範囲を使う。これらのアドレスを送信元または宛先とするパケットを、ルータは別のリンクへ転送しない。
- ロンゲストマッチ
- ルータが経路表から転送先を選ぶときの規則。宛先アドレスに一致する経路が複数あれば、プレフィックス長が最も長い(最も詳しい)経路を選ぶ。
この問題に関係するテーマ
- IPv6導入の設計
- IPv4だけの社内ネットワークに、IPv6を加えるときの設計の考え方。デュアルスタックを基本に、アドレスの割り当て、名前解決、経路制御、セキュリティ、監視を、IPv4との違いを意識しながら検討する。
問題文:IPA公開の問題冊子(PDF)