WPS
無線LANの接続設定に必要な情報を機器間でやり取りし、手入力を減らすための規格である。プッシュボタン方式やPIN方式などを定める。接続後の通信を暗号化する方式そのものではない。
イマシルちゃんの解説
画面やキーボードのないプリンタに、Wi-Fiの長いパスワードを入力するのは大変だよね。
WPSは、そうした機器の無線LANへの接続設定を簡単にするための規格だよ。
たとえばアクセスポイントとプリンタで、決められた時間内に接続用のボタンを押す方法があるんだ。
すると対応する機器どうしがやり取りして、ネットワーク名や通信を保護するための設定をそろえるの。
利用者が長い文字列を一つずつ入力する手間を減らせるよ。
WPSが担当するのは、あくまで接続を準備するところなんだ。
その後のデータを守る暗号化とは、役割を分けて考えると分かりやすいよ。
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より深い解説
定義
WPS(Wi-Fi Protected Setup)は、Wi-Fi Allianceが策定した、無線LANの接続設定(SSIDや暗号化の鍵の設定)を簡単に行うための規格である。利用者が暗号化の鍵を手で入力しなくても、アクセスポイントから端末に、接続に必要な情報を自動で渡す。
主な方式
| 方式 | 操作 |
|---|---|
| プッシュボタン方式(PBC) | アクセスポイントのボタンと端末のボタン(または画面の操作)を、一定時間内に押す |
| PIN方式 | 端末やアクセスポイントに表示された8桁の数字(PIN)を、相手側に入力する |
| NFC方式 | NFCに対応した端末をかざす |
セキュリティ上の問題
PIN方式は、8桁のPINが前半4桁と後半4桁に分けて確認される仕組みで、最後の1桁はチェック用の数字である。そのため、総当たりで試す組み合わせは、10^4 + 10^3 = 11,000通りしかなく、短時間で破られる脆弱性が知られている。PINが破られると、暗号化の鍵(パスフレーズ)を取得されてしまう。
| 対策 | 内容 |
|---|---|
| PIN方式を無効にする | アクセスポイントの設定で、WPSのPIN方式(または WPS自体)を無効にする |
| 試行回数の制限 | PINの入力の失敗が続いたら、一定時間WPSを止める(対応した機器を使う) |
WPSが定めていないもの
| 規格・技術 | 定めているもの |
|---|---|
| WPS | 接続設定の簡素化 |
| IEEE 802.1X | EAPを使って、ポート(接続)ごとに利用者や端末を認証する枠組み |
| WPA2 / WPA3 | 無線LANのセキュリティの方式(暗号化と認証) |
| CSMA/CA | 無線LANで、送信の衝突を避けるアクセス制御の方式 |
「無線LANに接続する機器のセキュリティ対策に関するWPSの仕様」は、IEEE 802.1Xが定めるものではない。IEEE 802.1Xが定めているのは、アクセスポイントがEAPを使ってクライアントを認証する枠組みである。