PIM-SM

読み:ぴむえすえむ / 英語表記:Protocol Independent Multicast - Sparse Mode

受信者のいる方向から参加要求を伝え、必要な区間にマルチキャストの配信ツリーを作るルーティングプロトコルである。ユニキャストなどの経路情報を参照して上流を選び、受信希望のある下流へデータを届ける。

イマシルちゃんの解説

同じ動画をいくつもの拠点へ配るとき、必要な拠点だけに届けられると回線の無駄を減らせるよ。
PIM-SMは、ルータ同士が受信希望を伝えて、マルチキャストを運ぶ道筋を作るプロトコルだよ。
端末の近くのルータが参加希望を知ると、配信元などに近づく方向へ要求を送るんだ。
要求を受けたルータも上流へつなぎ、受信者へ枝分かれする道筋ができるの。
データは枝分かれが必要なルータで複製され、受け取りたい端末のいる方向へ進むよ。
受信者がいなくなれば不要な枝を外すので、すべてのネットワークへ流し続けずに済むんだ。

より深い解説

端末の参加希望をルータ間へ伝える

PIM-SMはRFC 7761で定めるマルチキャストルーティングプロトコルである。IPv4の端末が近くのルータへ参加状態を知らせるのはIGMP、ルータ間で配信経路を作るのはPIMという分担になる。

Sparse Modeは、受信者が必要とする方向へ明示的に参加要求を伝える方式を表す。下流からJoinを受けたルータは、その配信を送るべきインタフェースを記録し、必要ならさらに上流へ参加を要求する。受信希望がなくなればPruneなどで不要な枝を削る。

参照する経路情報

PIMのProtocol Independentは、特定のユニキャストルーティングプロトコルに依存しないという意味である。通常のユニキャスト経路表や、マルチキャスト用に用意した経路情報を利用して、送信元またはRPへ向かう上流を判断する。

送信元へ戻る経路に基づき、期待したインタフェースから届いたか確認する考え方をRPF(Reverse Path Forwarding)という。例えば送信元Sへ戻る経路がポート1なら、Sからの配信を受ける上流もその経路に沿って決める。Joinの処理によってユニキャスト経路そのものを書き換えるのではなく、その経路情報を参照してマルチキャスト転送状態を作る。

共有ツリーと送信元ごとのツリー

送信元を限定しないASMのPIM-SMでは、送信者と受信者を出会わせる中継点としてRP(Rendezvous Point)を使う。受信者側はまずRPへ向かう共有ツリーへ参加する。送信元の情報を得た後、条件に応じてその送信元を根とする最短経路ツリーへ移れる。

転送状態対象意味
(*,G)グループG送信元を限定しない共有ツリーの状態
(S,G)送信元SとグループG特定の送信元からの配信の状態

配信ツリーは、ルータで必要な方向へ枝分かれする論理的な構造である。物理的に配線し直したり、受信端末の台数だけ送信元から同じパケットを送り直したりする必要はない。

送信元を指定する配信モデル

SSM(Source-Specific Multicast)は、受信者が送信元SとグループGの組を指定するマルチキャストのモデルである。PIM-SMというルーティングプロトコルと同義ではない。IPv4ではIGMPv3などで受信希望の(S,G)を通知し、ルータ間はPIMの送信元ツリーを利用する。

受信者側のルータはSへの経路を参照して(S,G) Joinを上流へ送る。各ルータがこの参加状態をつなぐことで、Sから受信者へ至る配信ツリーができる。送信元が最初から分かっているため、SSMでは送信者を発見するためのRPを必要としない。

IPv4のSSM用アドレス範囲は232.0.0.0/8である。例えばSを192.0.2.10、Gを232.10.20.30とすれば、その組が受信対象のチャネルになる。同じGでもSが異なれば別のチャネルとして扱う。受信者は、アプリケーションなどからSとGをあらかじめ知る必要がある。

機器でSSMを使うときは、マルチキャスト転送の有効化に加え、配信経路に参加するL3インタフェースでPIMのSparse Modeを動かし、SSMとして扱うグループ範囲を指定する構成がある。受信端末側のLANではIGMPv3で送信元指定の参加状態を受け付ける。ルータ間の経路形成と端末側の参加管理は、別々の設定・動作として確かめる。

L2の転送制御との分担

ルータが配信をそのLANへ届けた後、どのスイッチポートへ流すかは別の問題である。IGMPスヌーピングは受信者のいるポートを学習して不要な転送を減らす。PIMによるルータ間の配信ツリー、IGMPによる端末の参加管理、スヌーピングによるL2転送制御を分けて理解する。

参考資料

実際の試験ではここに出る!全1問

ネットワークスペシャリスト

午後Ⅰ

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