マルチリンクPPP
複数のPPP接続を一つの論理リンクとして扱うための拡張。データを分割して複数のリンクへ送り、受信側で順序を整えて再構成することで、回線の容量をまとめて利用する。
イマシルちゃんの解説
インターネットにつなぐ回線が1本だけだと、どれだけ通信できるかには限界があるんだ。
だったら回線を増やせばいいと思うかもしれないけど、ただ2本つないだだけでは、同じ通信で両方を活用できるとは限らないの。
そこで登場するのが、マルチリンクPPP!
PPPは、二つの機器の間でデータをやり取りするための通信ルール。そのPPPの回線を何本か束ねて使えるようにしたものなんだ。
送るデータを必要に応じて小さく分け、それぞれの回線に振り分けるよ。
届く順番が前後しても、受け取った側で並びを確かめて元に戻すから大丈夫。
こうして複数の回線の容量を活用できるのがうれしいところだね。ただし、通信の速さが単純に足し算になるとは限らないんだ。
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より深い解説
複数の接続をまとめる
マルチリンクPPPはRFC 1990で定められている。複数の物理的なPPP接続を束ねた集合をバンドルとして扱い、上位層からは一つの論理リンクに見えるようにする。
PPP接続を複数用意するだけでは、自動的に一つになるわけではない。両端でこの方式を扱え、同じ相手とのリンクを正しく識別・設定できる必要がある。
分割と受信側の処理
| 段階 | 処理 |
|---|---|
| 送信前 | パケットを必要に応じて断片化する |
| 送信 | 断片にシーケンス番号などを付けて各リンクへ配分する |
| 受信 | 順番や一つのパケットの区切りを確認する |
| 上位への引渡し | 順序を整えて再構成したパケットを渡す |
リンクごとの伝送速度や待ち時間が異なると、後から送った断片が先に到着することもある。そのため、到着順にそのまま上位へ渡すのではなく、番号に基づく管理が必要になる。
容量と障害時の考え方
仮に2Mbit/sのリンクを2本束ねると、物理的な容量の合計は4Mbit/sとなる。ただし、ヘッダーや制御通信などのオーバーヘッドがあるため、利用者のデータを送る速度がそのまま合計値になるわけではない。
一部のリンクが失われた場合、残るリンクで通信を継続できる構成もある。その場合でも容量は低下する。片方の障害を無視して、元の速度を保証できるという意味ではない。
似た目的の技術との区別
| 技術 | 主な対象 |
|---|---|
| マルチリンクPPP | 複数のPPPリンクをまとめる |
| リンクアグリゲーション | 複数のイーサネットリンクをまとめる |
| ECMP | 等コストの複数の経路を利用する |
| RSVP | 経路上の資源を予約する |
ECMPなどでは通信単位で経路を選ぶ構成が多く、一つのデータを断片にして束ねたPPPリンクへ配る本方式とは処理の単位が異なる。容量の増強、経路の分散、品質の予約のうち、何を実現したいかを区別することが重要である。
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