6LoWPAN

読み:しっくすろーぱん / 英語表記:IPv6 over Low-Power Wireless Personal Area Networks

IEEE 802.15.4などの低消費電力無線ネットワークで、IPv6パケットを運ぶための適応層(アダプテーション層)の規格。ヘッダーの圧縮や、必要に応じたパケットの分割・再組み立てによって、小さなフレームでもIPv6通信を可能にする。

イマシルちゃんの解説

電池で動く温度センサーなどでは、消費電力の小さな無線通信が使われることがあるんだ。
ただ、一度に送れる量が少なく、IPv6のパケットがそのままでは収まらないことがあるよ。

こうした無線でもIPv6を使えるように、データの運び方を定めた規格が6LoWPANなんだ。
まず、パケットの「ヘッダー」という部分を短くして、送る量を減らすよ。
ヘッダーには宛先などの情報が入っているけれど、受信側がほかの情報から復元できる部分は省いて送れるんだ。
それでも収まらないパケットは分けて送り、受信側で元に戻すの。

こうして、小さなセンサーでもIPv6で測定結果をやり取りできるんだよ。

より深い解説

定義

6LoWPAN(IPv6 over Low-Power Wireless Personal Area Networks)は、IPv6と低消費電力無線ネットワークの間で、パケットの表現や大きさを調整する適応層(アダプテーション層)の規格である。基本的なパケットの運び方はRFC 4944、ヘッダーの圧縮方法はRFC 6282などで定められている。

必要になる理由

項目大きさ
IPv6の基本ヘッダー40バイト
IPv6の最小リンクMTU1,280バイト
RFC 4944が対象とするIEEE 802.15.4のフレーム最大127バイト

127バイトの中には無線側のヘッダーなども含まれるため、IPv6パケットを入れられる領域はさらに小さくなる。小さなパケットなら一つのフレームに収まる場合もあるが、IPv6のヘッダーが容量の大きな割合を占める。そのため、ヘッダーを短く表現して、測定結果などのデータに使える領域を増やす。

IPv6の最小リンクMTUは、IPv6から見て少なくとも1,280バイトのパケットを運べる必要があるという意味である。毎回1,280バイトのパケットを送るという意味ではない。RFC 4944では、一つの無線フレームに収まらないパケットを適応層で分割・再組み立てすることで、この要件を満たす。

主な機能

機能内容
ヘッダーの圧縮リンク層のアドレスや送受信側で共有する情報から復元できる部分などを省略し、IPv6やUDPのヘッダーを短く表現する
フラグメント化と再組立て一つの無線フレームに収まらないIPv6パケットを、必要に応じて複数のフレームに分けて送り、受信側で組み立て直す
メッシュでの配送支援複数の機器を経由してフレームを届けるための、メッシュヘッダーなどを定義する

ヘッダーをどこまで短くできるかは、アドレスやフィールドの値、送受信側が共有している情報によって異なる。IPv6とUDPのヘッダーが常に一定の数バイトになるわけではない。

また、RFC 4944はメッシュでの配送に必要な情報の形式を定めるが、経路を選ぶプロトコル全体を定めるものではない。

IP層での分割との違い

IPv6のフラグメンテーションは、送信元がIPv6のフラグメントヘッダーを使い、複数のIPv6パケットに分ける処理である。途中のルータは、このIP層での分割を行わない。

一方、6LoWPANの分割は、IPv6より下の適応層で行う。IPv6パケットを小さな無線フレームに分けて運び、受信側の適応層で組み立て直してからIPv6の処理に渡す。ここで使う分割用ヘッダーは、IPv6のフラグメントヘッダーとは別のものである。

IPv6より下の層で分割するため、「IPv6の途中のルータはIPパケットを分割しない」という規則とは矛盾しない。

利用例と関連技術

技術関係
Wi-SUN FANIPv6ベースの無線メッシュネットワークで、6LoWPANを利用してIPv6を運ぶ
Threadスマートホームなどで使うIPv6ベースの無線メッシュネットワーク。6LoWPANを利用する
Bluetooth(BLE)6LoWPANの技術を利用し、BLE上でIPv6を運ぶ仕様がRFC 7668で定められている
CoAP制約のある機器やネットワークで使う、軽量なアプリケーション層のプロトコル。6LoWPANとは担当する層が異なる

6LoWPANは、IPv6を運ぶための適応層の規格であり、パブリッシュ/サブスクライブ型のメッセージのやり取りを定めるものではない。

参考資料

基礎仕様はRFC 4944、ヘッダーを短く表現する方式はRFC 6282、IPv6のMTU要件とIP層での分割はRFC 8200を参照。

BLE上でのIPv6通信はRFC 7668、CoAPはRFC 7252、利用例はWi-SUN AllianceとThread Groupの公開資料を参照。

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ネットワークスペシャリスト

午前Ⅱ

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